人が説得される時、何が起こっているのか?
人は何によって動くのか?
どうすれば人が動いてくれるのか?ビジネスでの交渉でも日常での重要な場面における会話でも、共通することがある。
人と人との対話は、相手が「納得して動く」ことに主眼を置くスピード感じゃ、もう手遅れだということ。
人間は理論や理屈、説明をこねることができる生き物だけど、だからといって理論、理屈、説明だけの生き物じゃない。
社会で表面的にうまくやっていくには重要かもしれないが、どこまでいっても感情が圧倒的ウェイトを占める。理屈なんて塵芥に過ぎない。
最終的な意志決定は理性ではなく、本能で司る。
本能は一瞬で、それこそ光速で感じ取る。
それなのに「どうにかうまくやろう、どうやったらうまくいくかな」を反芻していたんじゃ結果は見えている。
勝ち負けで言えば、すでに負けているわけなんだ。
いくら会話や営業交渉の技術を身につけても、音速の域に過ぎない。本能は雷光だ。
雷鳴は雷光よりかなり遅いのだから、言わずもがなだろう。だから、その手の本をたくさん読んでも実践で役立たずなのは、脳の浅い部分しかかすっていないからだ。
ビジネスでの交渉、営業・対人スキルでも、理屈や理論で相手を攻めていっても動いてくれない。
あまりに遅いし、悪いけれど、とろいんだ。
交渉相手が鋭い人物なら、内心イライラすることだろう。
トップに立つ人間にとって、スピードの遅い人間を近くに置いておきたくないもの。
もうやる前から結果は見えている。
そこでいくら美辞麗句や完璧に話したところで、あまりに遅すぎる。
逆の立場でも「で、何が言いたいわけ?」と思うことがあるだろうけど、それと同じだ。
だから決して武器にならないし、やればやるほどジレンマに陥り、苦手感を持ってしまうだけだ。
そしてずっと憧れながらも、身につかないまま年を重ねていってしまう。
何をするにしても諦めやすくなり、「自分はダメだ」という思考が先に立って何にもできなくなってしまう。
これは脅しているわけじゃなくて、けっこうズルズルと人間はいってしまうものだということ。
年を取るのもあっという間だし、何のための仕事だったのか? 人生だったのかまで悩んでしまうと、抑うつ状態になってしまう。相手の理屈や理性に訴えかけることなんか、ちょっとはしっこい小学生でもできる。
ずっと同じことを繰り返し、上達できないのは理性の世界でだけで努力してきたからだ。
これから先も何十年も同じことを繰り返しかねない。
努力は必死さは大切だけど、お釈迦様の手のひらの上でいくら頑張っても意味がない。
言い換えれば、ちょっと思考の置き場を変えるだけで、大きくスキルは身につくし、努力の分だけ結果も出てくる。本にはとても素晴らしい理論や方法論が書いてあって、読むと納得できることが多いけれど、武器になるかというとそうじゃない。
逆に読んでいる人の本来持っている価値を目減りさせてしまう恐れもある。
その価値って、その人の持っている地や個性だ。意味を広げれば、能力のこと。。
せっかく持っている能力を出せないで生きるのは、ある意味自分に対する冒涜だ。
とにかく理論・理屈で、人を説得しようとするといい結果を生まない。
人は理屈を聞かない。非常に毛嫌いするし、うざいだけだ。
相手の心に響かせてはじめて、交渉でも対人スキルでも結果が出せる。じゃあ、何が必要か?
会話がどうこう以前に、その人の発するオーラが必要だ。
人は、オーラがある人の話しか、心から聞かない。
オーラというとひどく抽象的だけど、生き様、覚悟、自信、人とは違うズレとイカレ、個性、俺には出来る、やってやるぞと言うという異常な情熱とも言い換えられる。
心に火がついていないと相手を説得できるオーラ、つまり空気を流せない。
オーラはどうやって得られるの? と疑問に思うだろうけど、すごく単純なことだ。
逆に単純明快に捉えていないととオーラは出せない。
それは「気持ち」「ハート」「感情」がこもっていたら、それがオーラになる。
その上で「やってやる、やれるんだ」というものがないと相手の心に響かない。話し上手になることがオーラ獲得への道だと思っていたら大間違いだ。
ベースがないままそれだけを追求すると、ただの薄っぺらさを誇示しているのと同じになる。
表面だけ取り繕って小ずるい知恵を労しても、オーラを取り繕うことはできないばかりか、いけ好かない空気を流してしまう。
それでもみんな社会性を持って生きているから、いちいち顔に出したりしないから、一生気づかないで行ってしまいかねない。
それも怖いと思う。ズボンのチャックを開けっ放しで、誰にも指摘されないで一生暮らすようなものだ。
相手の顔は笑顔でいるけれど、内心じゃ拒否反応を示していることが多い。
これも逆の立場に立って考えればわかると思う。営業成績がいい人で口がぺらぺらとうまい人間はほとんどいない。
どちらかというと緊張しやすく、口下手で話すことが苦手な人がトップになっていたりする。
それは、その人なりの真心(感情)が伝わるからだ。
わかってもらいたい、売らなくちゃ、というハートが良い方向に出るから、相手にわかってもらえるんだ。
つまり、話し上手になる必要はない。
会話や対話が苦手な人が焦って落ちる罠に「うまく話さなくては未来がない」というものがあるけれど、もっと本質的な部分をスキルとして身につけないといつまで経っても難しい。
「うまく話そう」という思考が、結局失敗の元になるだけだ。
だから、私は口下手だとかコンプレックスを持っている人も安心して欲しい。
口下手のままでも、対人スキルは身につくし、自信にもなるんだ。
緊張していても、いや緊張しているからこそトップに立てる。
自信がちょっとでも出てきたら、あとは結果的に話し上手になる余裕が生まれるし、そもそも上手に話そうなんていうことに意識が向かなくなる。
そうなるとのびのび喋ることができるようになる。
のびのびと話すことができる人間と、上手にキレイに話す人間、どちらを貴方は好むだろうか?
会話の格闘術でも会話術でも、もっと根本的なことからやっていくから、まずはそういう会話への認識を変えることからはじめよう。人を説得しようとしてうまくいった経験がある人は思い出して欲しい。
自分の感情が相手の心にうまく乗ってくれた手応えを感じたことがあると思うけれど、そういうことなんだ。
それを人前でプレゼンテーションをしなくちゃいけない、面接があるとか、朝礼があるとか、結婚式のスピーチがあるとなると、うまく話そう、何とか取り繕って終わらせようとばかりに意識が向いて、苦手意識を増大させてしまう。
それにとらわれると、今度は恥をかいたらやばいとか失敗したらどうしよう、お終いだとまで行く。
もしその場でも自分の感情を主体的に発したことで、相手の心に乗る手応えを感じたら、恐ろしいくらいの自信を持てていたはずだ。日常の何気ない会話は、大阪辺りによくいるおばちゃんのように、ぺらぺら喋って、その場で流れて終わりでも全然かまわない。
でも重要なビジネスシーンや重要な局面(例えば恋愛ごとなど)なんかでは、相手の感情に火をつけないと結果に結びつかない。
芯のコアの部分から、内面から、貴方の空気がほとばしり出ないと難しい。
それが本当の交渉の基本だ。
のれない自分、感情的になったことがない自分じゃ難しい話だ。醒めているから。
そうすると、醒めていなくて、炎のように燃え上がっている自分が、いつでも引っ張り出せるように訓練していくことが当所のプログラムの一つにある。
恥もプライドも関係なく、「それがどうした」という信念を持てるようになれば、色々な場面で活躍できるだろう。
もし乗れない自分がいたら、それを破壊して、足ひっぱりをとっていく。
いくら人を説得したいと思い浮かべていても、自分が変わることからはじめないと、身につけたテクニックもただの破棄物として脳に燻り続けることになる。
だから本でも何でも技術オンリーで学ぼうとする人は、結局身につかない。
それで達人になったら誰も苦労はしない。
テクニックについては知っておいて損はないかもしれないけれど、もっとハートの部分を獲得しないといけない。
ベースがあってのテクニックじゃないと砂上の楼閣にすぎない。
順番が大事だ。自分自身が、脳の根本から蘇生できるような考え方、生き方を獲得していくことをやっていきます。
ハートや魂がいつも強くて、それがほとばしって影響を与える、そんなオーラが出るような自分自身ならば何でも可能だ。
その歯止めをかけているのはなんなのか、そこを破壊してはじめてうまくいく人もいる。
会話についてのトラウマや「どう喋ろう」「沈黙になったらどうしよう」「うまく流れなかったらどうしよう」「相手に不快な時間を与えてしまったら嫌だな」なんて表面的で徒労に終わる闘争をしちゃいけない。
クソ食らえだと思って生きたほうがいい。
そう思わないと、すっかり苦手な場面に飲み込まれて、説得以前に意思の疎通すら成り立たない。
会話の極意は喋らなくてもいい。キレイに話す必要もない。
「私」がいるだけでいいんだ。
それで答えは出る。相手がそう感じるから。
私がいるだけで納得だろうという信念があれば、オーラなんて勝手に出てくる。多くの人は考えたことも感じたこともないことだけど、達人クラスはみな経験値と感覚で知っている。
人間とか心理とか会話を複雑にとらえてはいけないし、墓穴を掘るだけ。
単純明快に自分の生き様を追求する。
その上で自分のコアの部分からほとばしり出た気持や感情が相手の感情に火をつける。
人の感情に火がついた時、もう理屈や理論では動かない。
その人の感情どおりに動くようになる。
いくら理性優位で生きてきた人でも、本能が刺激された時一気に理性の優先順位は落ちるんだ。
感情に火がつくと言うと、ハイになって「ウオー!」と叫ぶ人を想像するかもしれない(笑)。
そうじゃなくて、静かに燃える炎を心の内に持っていればいいんだ。
その人なりの感情の燃え方がある。
性格が豹変するということはない。
その性格のままで生産的に有効利用できるようになるという話だ。
それでもちゃんと相手の心に伝わるから大丈夫だ。
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