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感動と喜び 生きている意味 楽しむ方法 岩波英知先生の言葉・講演集

生きている意味の再確認 〜感動と歓び〜

どうせ生きているからには感動した方がいい。
だからといって「感動しような。そうした方が絶対いい」とアドバイスされて、簡単に楽しめていたら、誰も悩むことなんかない。

そういう感動や歓びについての話をしたい。

楽しさ、感動は、生まれてきて良かったと思わせてくれる最大のエネルギーだ。
人生はたった一回しかないのだから、しがらみや人の思惑に振り回されて、自分を無くして生きるよりも、どうせなら楽しんだ方が勝ちだ。

楽しむと言っても、麻薬に溺れる刹那的享楽的逃避的な楽しみから、じっくり何か一つのことを研究して突き詰めていく楽しみもある。
大自然と戯れ、土にまみれて生きることへの楽しさもあれば、スリリングな生き方を求める楽しみもある。
たくさんの喜び楽しみがあるけれど、ここで言うのは刹那的な楽しみじゃなく、生きていて良かったという実感につながる深い実感だ。

しかし、そうは問屋が卸さない。
その問屋とは悪い感情だ。
楽しめない人は、どうしても楽しめない。

本当は楽しんで暮らしたいわけだし、そう思わない人はよっぽどの苦行者だろう。
いや苦行者だって、何らかの充実感や生きる意義を見出しているだろう。

でも、悩んでいる人に無節操な人は、こうアドバイスをする

「悩んでいたってはじまらない。もっと楽しんでいこう」
「悩むのは体にも脳にも悪いわよ。気楽に生きましょうよ。頑張って」
「心から笑えばいいんだよ、そうじゃなくちゃ人生損だぞ」と……

「言われなくてもわかってる!」とスランプの人はムカッと来るだろうし、実際に言われた人もいるかもしれない。
そんなことは頭の中で何千回とそうじゃなくちゃいけないと思ってきたわけだ。

楽しみたくても楽しめない自分がいる。
これは長い人生で様々なトラブルや、悩みを創出する環境でなってしまったわけだけど、じゃあ、どうやったら感動できるか、心が楽に暮らせるかというと見当がつかない。

あんまり悩みに無縁な人(そもそも悩みがない人はいない。悩まない人はいる)で、必要以上にとらわれず、感動して楽しく生きている人が確かにいる。
悩みの悪循環にハマっている人は、それを見て、どうにかして自分も楽しもう、感動しようと「焦って」努力する。
しかし、いくら努力しても考えても楽しみは寄ってこない。

楽しむってどういうこと? どうすれば感動を得られるの? とまで行ってしまう。
それがアダとなり、ますます悪循環の渦の中に巻き込まれていく。
鬱憤がひどく溜まったり、抑うつ状態になったり、うつ病になったりする。

そうなると生きている意味も価値も感じられなくなって、自己評価も著しく低くなってしまう。
端から見ると「どうしてそんなに自分を認められないの?」と思われるほどに。

でも、それは流れがあってなっていることだから、しょうがないことだ。
その状態の人に「もっと楽しもうよ」「悩むなんて損だよ」なんて温かいお言葉をかけたとしたら、見当違いも甚だしい。

じゃあ、感動できなくなってしまった人は、どうすれば感動が寄ってくるのか?
感動って、自分で努力して創るものじゃなくて、結果的に地で自然に湧き出ないと意味がない。
それが本当の感動だ。

そうじゃないといつまでも感動がわき上がらないから、焦りを呼び込み、楽しめない状態を強化してしまう。
焦りはすべての楽しみと心の余裕を奪い取ってしまう。

感動は、冒険して怪我をして、そこからちょっとしたものでいいから、楽しさ・面白さを味わうことで出てくる。
つまり主体的な行動をする必要がある。

今までの人生を振り返ると、主体的な行動が取れていた時は、感動できていた人が圧倒的に多い。
実際そうだし、子供の時は案外主体的行動を取れていた人がいる。
冒険心があったし、自分の足ひっぱりをするもう一人の自分がいなかった。
理性が少なく天真爛漫だからだ。

しかし、そこで感動したい、もっと楽しみたい! という子供の全身全霊の欲求を押しつぶしたり、罪の意識を感じさせる環境に入ってしまうと感動が遠くなる人生になる。
小学生の時からつらい人生になったり、思春期になって自我が目覚めて発露したり、いじめや対人的なトラブルがあったりして、しだいに感動したくてもできない自分になっていく。

そんな人に「楽しんだ方がいい」と言っても、潜在意識からの罪の意識が邪魔をするだろう。
自分で自分の行動にストップをかけてしまう。
そんなことしていいのか? までいってしまう。

そうなると、冒険すること、主体的な行動することすら、自ら制限してしまう。
親の目、世間の目を常に意識して生きてしまう。

不幸なことに生まれてきてからずっと「楽しいって何? 感動ってどういうこと?」という人もいる。
そんな人に、「感動はこうだよ」と言葉でいくら説いても決して伝わらない。
実感を通したものだけが感動なのだから。

いくら為になることを喋っても、相手の心には届かない。
だから、そういう時は単純明快にやっていくしかない。すべての本質は簡単明瞭じゃないと答えに行き届かない。
複雑に考えていても始まらないからだ。
(考えて結果が出ないことをいつまでも考えてもしょうがない。なおさら感動・歓びってそういうものだ)

子供は普通の環境なら、天真爛漫だから楽しめるわけだけど、天真爛漫になれと言っても何も始まらない。
なら、とにかく主体的に行動して、冒険しろという話になる。
本当にそれだけでいい。他のことは考える必要もない。

哲学的・形而上学的に「生きるとは何か? 人生の歓びとは何か? どうすれば得られるか?」なんて複雑深刻に考えても何にも解決できない。
歴史上どんな偉大な哲学者でも、思考だけで自分なりの答えを見つけた人なんかいないし、その末路はだいたい良くない結果に終わっている。
考え過ぎたら、墓穴を本当に掘ることになる

一度でも主体的に冒険した時や、リスクを自ら選んでそれ向かって努力した時、最低限、刹那的に実感みたいなものが得られる。

ただし、悩みが続いて強化されてしまった人のことも言いたい。
人の視線や思惑が邪魔になって、どこに行っても何をやっても楽しめない。
人なんかどうでもいいんだというぐらいの一種イカれた頭で冒険することは、楽しくないことだ。
その人にとっては。
そういう人はどうすればいいか?

これもそこで考え込んでも答えが出ない。
とにかく主体的冒険をしてみて、そこをちょっと通過したあとだと、感動が寄ってくる。
感動したものが起きてこないと、楽しむことだって、燃えることだってできない。

そこにいくまではちょっとつらいかもしれない。
空虚だったり、やる意義が見いだせなかったり。

しかし、ずっと何もせずグルグルと形而上学をやっていたって、もっと自分の首を絞めるだけになる。
それを考えたら、どちらがいいかは一目瞭然だし、感動したかったら、それしかないんだ。
ある壁を突破して実感を得られると、すべてが好転しはじめるから、その時までは哲学も形而上学も封印したほうがいい。

はじめは「楽しくないこと」「つらいこと」を乗り越えるのは覚悟が必要になる。
そのためには覚悟ができるための下地と弱点の排除、そして暗示の力でエネルギーを与えれば辛いことでも乗り越えられる強さが身につく。
同時に冒険していけば、必ず感動できるし、楽しめるようになる。

今一度、なぜ生まれてきたかの意味を再確認しよう。
どうせなら、やっぱり感動したほうがいい。
しがらみがあろうとなかろうと、感動できたほうがいいに決まっている。

それにしがらみがあった方が、実は感動できるものだ。
障害があるから、人の心は燃え上がる。

それは、自分の中の障害にも当てはまる。
邪魔なものがなくなったら、冒険しようと思っていたんじゃ、一生感動は得られない。
主体的な冒険がさせてくれない自分がいたとしても、逆に燃え上がるチャンスだ。
感動できるチャンスなんだ。
(大冒険である必要はない。ちょっとした小冒険の連続でいい。まずはチャレンジした時の心の揺れを感じることが大事だ。あと完璧にやろうとしてもいけない。怪我をするのも当たり前だし、そんなものがあってもなくてもやればいいだけ)

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