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不登校の子供に共通する心の問題と思考 ~親とのからみ(一例)~

親から子供への悪影響 親子関係の悩みと不安解決方法

子供が不登校になる原因 親の気持ち、子供の気持ちのすれ違い

はじめに

不登校の子供は、百人いれば百人理由が違います。
学校に行かない理由の素材が違う。
ただし、大きく分けて、家庭環境やしつけが原因で親子間の意思の疎通がなくなったこと、愛情のすれ違い、転校や引っ越しなどの環境の激変での戸惑い、神経症的要因、そして、学校での人間関係トラブル(いじめや教師との確執等)が大きい。

学校での人間関係の問題から

勉強は好きなんだけど、教師や方針が嫌いだとか、「これは僕の理屈に合わない」と変にエゴが強い子供もいる。
だけど順応性は非常に悪い。
「こんなところにいって、こんなことをやって何の意味があるんだ」という頭で登校拒否になる子供もいる。

教師とのからみの悪さ、それから生徒間の人間関係でなることも多い。
教室で孤立したり、陰湿ないじめにあったり、嫌がらせを受けたりするケースもある。
海外などから引っ越してきて、環境の激変にとまどい、心がもろくなっているときにトラブルが起きて自信喪失になるケースもある。

それから、自律神経のバランス、脳内のホルモンバランスが崩れて、学校に行こうとすると腹痛、頭痛が起きたり、吐き気がしたりする子供も多い。
それは仮病ではなく、本当にストレスを前にするとなってしまう(「学校に行かなくちゃ」という意志に、無意識が拒否反応を起こす)
実は自律神経のバランスが崩れたのは過度のストレスであり、抑圧し続けた心であるため、その前に何らかの原因がすでに存在しているが。

また、教師にまったく受け入れられなかった、みんなの前で自分だけ潰されたとか、教師自体の能力不足で運が悪い思いをしてしまったとか依怙贔屓、差別を受けた……
悩んでいる生徒の心を助けなくちゃいけないのに教師や担任が無頓着だったり。

あとはやはり、教室やクラブでの人間関係がある。
すごく仲の良い友達が口を聞かなくなって、別の子と仲良くなったりとか、無視された、心を土足で踏みつけられたとかプライドがズタズタにされてしまう。
そのこと自体が子供は不都合で苦しいことだから、周囲と無理に合わせて生きようと頑張るけれど、自分を殺していると言うことだから、心が葛藤を起こすし、ますます抑圧がかかってストレスになる。
時間が経てば経つほど、楽しくないし自分を見失ってしまう。
結果、ますます心がもろく崩れやすくなる。

それでも「学校に通わなくてはいけないな」と考えると不安が増幅するから、自律神経のバランスが崩れ、吐き気、動悸がしたりしてしまう。
悪循環の永遠の繰り返し、コピーの連続でいつまで経っても抜け出せなくなってしまう。
不登校になるまで、子供はこれだけの重荷とストレスを背負って、それでも切り抜けようと必死でもがくけれど、いつか限界がきてしまう。

それを親はそこまで追い詰められていたのかなんて想像もつかない。
親子といっても、感情と思考の把握、共有まではできないのだから。

しつけや教育、家庭の問題、親子関係のすれ違いと断絶

子供の心はそれだけでも押し潰されそうで不安なのに、親や家族が自分の心をわかってくれない、察してくれない。
上から命令口調で押さえつけるだけとか無理に学校に通わせようとするだけで、心を汲んでくれない。
それどころか、親までも心を土足で踏み込んでズタズタにしてしまうケースもある。

これ以上頑張りようがなく子供の心に、更に頑張れと後押しするわけだから、子供がダウンしてしまうのは無理もない。
親としては心配で愛情があるからこそやってしまうことだから、その逆効果ぶりに親子共々出口が見えなくなる。
子供の脳も混乱し、親は錯乱していく。
その時点で、やることすべてが裏目に入ってしまう。
冷静に考えれば、そこに答えなんか出るわけがないのだけれど、親としてはもがかざるをえない。

もし元々、その子供が親に不信感を持っていたならば、もう親のいうことは1%も聞き入れる余地がなくなる。
反抗的になり、心の抑圧のはけ口を親に向ける。
言うことを聞かない、会話をしない、荒れる、ものにあたる、暴力をふるう……

子供はこのまま将来がないと敏感に察しているだけに、その事実に身をさらすのが怖くて、ますます逃避に走る。
自己防衛本能が極度に高まるため、自分の安住の場(ひきこもる部屋やゲームなど)を邪魔されそうになると、もう手がつけられないほど荒れ狂うケースもある。
すでに学校に通える、通えないの問題ではなく、家庭崩壊の危険まで高まる、それどころか、崩壊してしまうこともある。

不登校の子供は、人間不信(親不信も含む)に陥り、殻に閉じこもっているため、どんなに正当な理論を親が掲げても全く意味をなさない。
その行為一つ一つが、ますます子供を追い込んでいくだけに終わる。

子供には子供独自のエゴというものがある。
その思考は、親に「どうして?」「なぜ?」「何でわかってくれないの」というものばかりで理解しにくい。
親からすると、子供の言い分を通してしまっては絶対いけないと思えるものばかり。

しかし親側のエゴ(言い分)を振りかざしたところで、ますます意思の疎通がとれなくなる。
そうなると子供のエゴを充たすこと、その価値観を認めることが必要になってくる。
不登校自体、子供のわがままで、もう親としてはエゴを充たしてやっていると思うかもしれない。
でも、子供側から見ると全然違います。
子供はわがままを押し殺して、必死で自分を抑圧して生きてきたからこそ、もう我慢できなくなっているわけです。

不登校の子供の心理と思考回路、親子関係で意思の疎通がとれなくなるまで

例えば、不登校に陥り、心の傷を負った子供はこう考えているかもしれません。
「他の兄弟を親は言うことを聞くけれど自分だけは怒る」
「受け入れてくれない」
「自分よりも他人の子供を良くしている」
「世間体だけはいい」
「努力しても褒めてくれなかった」
「遊ばせてくれなかった」
「プレッシャーをかけることしかできない」
「もうちょっと自分を認めて欲しかった」
「あのときにわかって欲しかった! あのときに聞いて欲しかった!  心を汲んで欲しかった!」
「あのときに何か親がアドバイスして欲しかった」
「自分の心をわかって欲しい!」
そう思っている子供が不登校やひきこもりに陥るケースが多いのです。

当時は、親は「このくらい、あんた考えないでできるでしょ」とか「こうしなくてはダメ」と子供に一方的に言ってしまったために、「親に受け入れられていない、わかってもらえていない」と不信感を強くしてしまった子供もいるかもしれない。
子供の要求やわがままを受け入れてくれるのが不可能な親だとしたら、子供は今度自分の心の中で、「何とかしなくてはいけない」と頑張り、結果葛藤を起こす。
もちろん、親は子供のためを思ってそうやってきたことでしょう。

だけど、子供から見たら「愛がない」「怖い」「受け入れられていない」「精一杯頑張っているのに褒めてくれない」と思ってしまう。
「どうしてわたしの気持ちをわかってくれないの!」と親が訴えても、子供の心にもはや届かない。
それは子供も言いたい台詞だったりする。

そもそも子供の心を顧みない親は、子供の心にわだかまりや、矛盾をつくってしまったり、抑圧を知らず知らずかけてしまう。
そういう子供は、非常に精神的にもろく、学校や世間の荒波を一人の力では乗り越えられなくなっている。
すぐ傷つき、それを避けるために、人と合わせよう頑張り、疲れ果て、それも不可能になると完全に殻に閉じこもる。

でも親には心の苦しみを言えない、わかってもらえないとなると、マイナスの感情が増幅して、無意識に抑圧してしまう。
非常に敏感になり、恐怖と不安にちょっとしたことで襲われて逃れられなくなる
生きる流れが悪くなって、不登校、ひきこもりが完全にできあがってしまう。
もっと大きな問題は、大事な時に身につけておかなくてはいけない社会性が欠如してしまうことです。

親が不登校の悩んでいる子供に接するときの問題

親は子供が変わって欲しいと強く願う。
そして親は、子供よりも長い期間を生きてきている。
人生は「こうしなくてはいけない」「こうあるべき」という信念も強くなっている。
しかし、子供を変えるためにも、親が自身を変える必要があるかもしれない。

子供が学校に通うためには、ちょっと演技はしてやるぞ、変えてやるぞ、と思う親もいる。
そういう思考の親だから、不登校の敏感な子供の心は見破ってしまう。
それがますます子供が心を閉ざす部分を作る。
だから、そのときに親がどう対処したらいいか、どんな風にしていいかと言うことを、子供と一緒に親も一つの割り切りと覚悟も持たないと、家族全員に平穏は訪れない。
その辺のアドバイスを間違うと、きれいに解決に向かわないし、取り返しがつかないことになる。

それは当所のプログラムで用意しています。
親の絶対的な正当な理由で子供に向き合っても、通じないのが不登校問題の矛盾した複雑なところです。
子供の心にとって、「正当な理由」は正当ではありません。
それどころか不登校問題克服をいよいよねじ曲げてしまいます。

その繰り返しでますます親子関係が希薄になってしまった、変な具合にねじれてしまったということが非常に多いです。
その悪循環から抜け出すためにも、相談してみてください。

ただし、何度も言いますが、子供を変えるためには、親自身が自分の問題を解決する必要があります。
子供の問題とは関係ない部分の、人生に起こってきた様々な出来事、きっかけ、あるいはトラウマ、悩みへの「とらわれ」「執着」です。
それらが親自身にとって、「昔悩んだけれど乗り越えた」と思っていたことであっても、今回の子供の精神的な危機に実は影響をかなり与えていたなんてケースは実に多いのです。

子供は主体的に自分の問題を解決しようとは思いません。
思えないのです。
しかし、自覚して前向きに何とかしようとするためには、親が子供の問題とは関係なく、自分自身のこととして、自分の内面に取り組むことが必要です。

その変化が、子供にどんなに言い聞かせても無理だった、いい変化をもたらせてくれるでしょう。
みんな、多かれ少なかれ悩みや問題、トラブルを抱えて生きています。
たまたまそれで潰れなかったり、乗り越えたり、たくましく生きているようだけど、無意識や脳内奥深くに一度巣食ったとトラブルと悩みの種は、そう簡単には消えません。

意識の上で表層に出ないだけで、実はその人の行動や考え方、受け止め方すべてに影響を与えたりするものなのです。
運命というものがあれば、子供の今回のメンタルのトラブルにしても、親自身が何かしなくてはいけない、きっかけで起こっているのかもしれません。

一度きりの人生、二度とない奇跡的な親子関係、お互い幸せになれる技術を用意しています

変わるってことはとても億劫だし、エネルギーも必要です。
しかし、子供に「変われ!」という言動や空気を流して、知ってか知らずか無理やり強制しまうことだけして、親自身が変わることを億劫がっては、子供は変わりようがありません。
どちらも変われないままですと、お互いがお互いに良くない影響を与え続け、家族そのものがうつ状態となり、機能不全家庭となっていってしまいます。

今はいい機会です。
親もいい方向に変われば、必ず子供も変われるようになります。
それぞれが幸せな人生になっていけます。
せっかく一度しかない人生で、親子関係に奇跡的な確率でなったわけです。
親も幸せ、子供もそれをみて幸せになれる、その相関関係はとても素晴らしいと思います。

子供だけでなく、親も根本的にその人生の根っこから、そして心のコアの部分から変われる技術がありますので、希望を持ってください。

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発言者:岩波英知

1946年栃木県生まれ 東京と大阪で世界最先端の独自の脳内プログラムを開催。 誰ももたらすことができない決定的な脳内体感を体験した多くの有名人や芸能人、医師や経営者にファンが多い 。


自著(奇跡の脳覚醒)より抜粋

脳の魔術師、鬼才と呼ばれる心理脳内コンサルタント。 若い頃より人間の計り知れない可能性に興味を持ち、脳に関する独自の研究を行う。 そして、誰も到達できない脳覚醒技術の開発に至る。 その技とノウハウは世界一と称されており、岩波の脳覚醒セッションには、その凄さと評判を聞きつけたクライアントが世界中から駆けつけている。 また、その技術のみならず、岩波の言葉は多くの人に大きな刺激を影響を与えている。


執筆者・編集者:Dream Art Laboratory 担当スタッフ

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